双門の滝訪瀑レポ2007/05/26

■はじめに
 「双門の滝」に行ってきました。
最初におことわりしておきますが、双門弥山登山コースは登山禁止が出ています。
理由はガマ滝以降の急斜面を渡る橋がほとんど崩壊していて大変危険で荒れた登山路になっているためです。
くれぐれも自己責任を前提の登山です。
今回参加メンバーは全員双門の滝初体験者で、(あいうえお順)滝の思い出(60代・本人)、たけちゃん(40代はじめさんの知人で滝行き初体験)、はじめさん(40代)の三名。
(はじめさん&たけちゃん)と私は掲示板交流初対面での滝行きという関係でした。
日本の滝100選中最難攻滝と言われる双門の滝コースですが、いろいろ見解があると思いますが双門の滝を終えた現在、私は御来光の滝が最難攻滝だったと感じています。
三重県の「七つ釜滝」は一旦論外としておきます。
帰還すると方々からレポを出せとの御要望。
多くの方のレポがすでにあり特に目新しいネタもないのですが、山歩き素人の私が事故もなく帰還できた道程を書き綴って見ることにしました。
以下平凡なレポですが何かの参考になれば幸いです。

■(はじめさん)とのはじめ
 双門の滝訪瀑に先立つ2007/4/29に私にとっては100選滝91番目の訪瀑として「御来光の滝」に行きました。
この訪瀑は、主観的に最難攻滝は「御来光の滝」ではないかな〜と、兼ねがね思っていましたので、特に心配だった自身の耐力(体力でもある)アップに自主トレをして準備しました。
結果は限定的ながら効果はあったようで、案内してくださった(おいわさん)(ひろっさん)の名先導もあり同行者に迷惑をかけずに無事帰還できました。
その後、自主トレ継続している中、5/6 広島県の(はじめさん)のHP(はじめの花鳥風月庵)掲示板で双門の滝行きの意向を発見し、(はじめさん)とコンタクト開始しました。
当初の私の計画は、10月末ころに福岡のpokottonaさんに双門の滝を案内していただく予定を組んでいましたから半年ほど前倒しとなった。
「御来光の滝」の筋肉痛も自主トレのおかげで大したダメージに至らずに収まり体力も回復していました。
あとは3人とも双門の滝初体験者というグレーゾーンがあるものの(はじめさん)知り合いの(まことちゃん)という仙人級ベテランのアドバイスを受けた(はじめさん)を信じるしかない。
何てたって(はじめさん)は、「御来光の滝」を(おいわさん)や私達12名が出かける1週間前に増水した面河を単独踏破した強者である。
(はじめさん)とは「危ないと思ったら深入りする前にあっさり撤退をしよう」と申し合わせていた。 そして、すがる思いで「はじめさん、ゆっくり行って下さいね。面河の登り返し長時間記録保持者の私なんですから・・^_^;」と念をおしておいた。

■限りがない心配
 5/20の週がやってきた。この週の土曜26日が双門の滝訪瀑予定日。
最後の心配は当日の天候だった。
降水確率20%以上では中止しようと申し合わせていた。
5/20から毎日天気予報ばかり気にした。
月曜21日には
5月23日(水) 気温(℃)28/13 降水確率(%)10
5月26日(土) 気温(℃)26/14 降水確率(%)40 と予報された。

勤め人にはできないと解っていて

あさって23日(水)に変更出来ません?
今すぐ予約、メンバーに連絡決断ということです。
はじめさんに、決断とお願いします。
あそこはそれくらい決断しないと天候安定は期待できない。

・・・と脅迫まがいのメールを送る。
そして水曜21日には

はじめさん こんにちは
26日は降水確率NGのようですね〜
27日(日)は快晴の予報。
27日では翌日出勤でしょうからNGですよね?

・・とメールするも返事が返ってこない。
そして木曜24日には

はじめさん こんにちわ
Yahooの天気予報が急に好転しましたね〜(^○^)
天川村
5月26日(土)
晴れ
26/17℃
10%

5月27日(日)
晴時々曇
28/11℃
10%

滝行き決定ですね。
皆さんにGoのサインだしてあげてください。
宿の予約の方よろしくお願いいたします。
但し
前日が雨ですから熊渡の出発河原の状態が心配です。
また林道のゲートが締まっているとか?

・・と、遠足が決まった小学生の態。
天候がOKなら>>>白川八丁の水量>>>林道のゲートが締まる=林道歩行往復1時間
・・と限りがない最後の心配は続く。

そして金曜25日がやってきた。
近鉄大和八木駅16:39着。17時にレンタカーを借りて天川村「大谷屋」を目指す。
18時過ぎ熊渡橋手前の天川村役場前から15分ほど走った「大谷屋」到着。
外は豪雨、21時過ぎ(はじめさん)と(たけちゃん)が到着。
「はじめまして・・はじめさん?」どうも語呂が悪い。
「はじめまして・・たけちゃん?」これはいい。
明日は朝が早い。無理やり手持ちウイスキーを飲んで寝る。
深夜まで雨が・・心配だ〜眠〜い(~o~)・・zzzzz
夜中3時半突然「みなさ〜ん起きましょう」「なんで〜?たけちゃん(~o~)ふぁ〜!」
「うれして早う起きてしまった〜(@_@)」
「〜〜文句はないけど〜〜ふぁ〜!(~o~)」
雨は止んでるようだ。
素泊まりの我々に宿のおかみがバナナとゆで卵を持たせてくれた。(^_^メ)
「3時には下山してきます」
「双門から登った路を引き返さず弥山登山コースを上まで行って反対側の尾根から帰ったほうが安全ですよ」とおかみが警告してくれるもののそのコースの情報を知らない。

+++++++++++++(2007/06/25追記)
後日の(はじめさん)レポでも地元の警察への登山申告時に
「双門大滝へは登る方はいいが帰る方は危険だ。できたらそのまま狼平まで登って天河神社方面に降りて欲しい」
と警告されている。
そして、強行するなら
(三点支持を守って降りてくださいということになった。)
と報告している。
+++++++++++++

限りがない心配がまた増えた。
行ってみるしかない。

■双門の滝行き
・行った日:2007/5/26、天候/晴れ(降水確率0%予報)但し前日深夜まで大雨。
・宿泊:前日(5/25)夜に天川村民宿「大谷屋」に参加メンバー合流、素泊まり。
・帰還当日(5/26)は通常泊で祝杯をあげ翌日は笹の滝を訪瀑。
・出発地点及び帰還地点:奈良県天川村熊渡橋の「双門弥山登山コース」出発点の林道ゲート。
登山禁止のため林道ゲート閉鎖。奥の白川八丁の河原近くまでの往復約1時間徒歩。
★総括
・出発〜帰還の総時間:午前5時出発〜12時間〜午後5時帰還
・総歩行時間:登り5時間18分+下り4時間37分=9時間55分≒10時間(含む小休止)
・滝前テラス滞在:2時間

★当日の実時間と写真とコメント
 はじめさんに写真提供いただきました。ありがとうございますm(__)m
従ってご本人の勇姿が登場いたしません。残念!(*_*)
・5:00 林道ゲート鎖をまたいで有名な「双門コース案内板」の前から歩行開始。ダラダラ登りが約30分白川八丁まで続く。
:・・・(0分経過)

この案内板は簡潔ですが非常に参考になります
原写真のままで見て参考にしてください。
本レポ中に出てくる場所の名前等の対比にも役立つはずです。
写真クリックで表示します。

イラスト中央の少し上のグレーの小判状部分の右上にテラスと書かれたところが滝前テラスと言われる観瀑場所でここを目指すわけですが弥山登山コースの途中の通過点に過ぎないのです。

 参考に主要ポイントの標高を挙げておきます。

・熊渡・・・・・・700m ±0m
・林道奥・・・・・800m +100m
・ガマ滝・・・・・850m +150m  +50m
・テラス・・・・ 1300m +600m +450m


・弥山小屋・・1895m +1195m +585m
                                   
・5:33 白川八丁:水のない川原への降り口。
双門コース通行止めの標示
ここまで乗用車でも乗り入れ可能な平坦な土道だが歩くと一汗かく登りだ。+100m
:・・・(33分経過)
・5:35 弥山川・白川八丁の水の無い川原に到着。この地下を伏流水が流れていて2〜300m下流で姿を現すのだ
:・・・ 小休止。(35分経過)
・5:52 白川八丁:水が伏流しはじめる川原に到着。通常なら更に上流のはずだ。
:・・・(52分経過)

・6:03 白川八丁:前夜の雨で増水の最初の渡渉箇所。通常は水がないかもっと少ないはずだ。
:・・・(1時間3分経過)
・6:03 白川八丁:最初の渡渉。岩が安定しないのでいきなり足をかけると危険だ。
:・・・(1時間3分経過)
・白川八丁:何度も何度も左岸、右岸の渡渉繰り返し。右のたけちゃんは、キャッチャーをやっていたので足腰が通常人の数倍強い。とても初心者とは思えない。
・6:19 白川八丁:靴の水抜き休憩。
:・・・(1時間19分経過)

・6:29 「あらよっと!」濡れた岩ではこんなことしてはだめですよ!
潔くジャブジャブが正しいのです
:・・・(1時間29分経過)
・6:38 ガマ滝は見えるが近づけない。
途方にくれる男
この後、男はジャブジャブしましたとさ!言わんコッチャない。
:・・・(1時間38分経過)
・6:44 ガマ滝到着。+150m
:・・・(1時間44分経過)

・6:53 ガマ滝上のダム横通過。
:・・・(1時間53分経過)

・6:59 弥山川右岸の川沿いに架かる大半の鉄の橋は朽ちたり崩落したりしていて登山道とは言えない荒れた状態だ。最初の朽ちた橋通過
:・・・(1時間59分経過)
                       
・7:52 橋が崩壊し雨でぬかるんだ路無き路を赤テープを頼りに急斜面のトラバースや高巻き・木の根や濡れた岩のぼりを繰り返しながら1時間ほど格闘し河原に出る
今回のコース中最難関だったといっていい行軍でした。小休止2回。
:・・・(2時間52分経過)
・7:52 双門弥山線歩道表示の木柱到達
:・・・(2時間52分経過)
・7:53 大きな濡れた飛び石で渡渉
:・・・(2時間53分経過)
・7:56 鹿の白骨化死体発見。
:・・・(2時間56分経過)
・8:00〜8:30 左岸大岩群のはじまり。
ここからの30分が一番楽しかった(@_@)
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 左岸大岩群の大岩を、四つんばい、抱きつき、潜り、直角曲がり、鉄棒ぶら下がり、岩登り、最後は古びたロープで橋下駄に無茶苦茶よじのぼり
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 脚の順序を変えてみたら?
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 大岩を潜り
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 岩の向こうに直角曲がり。爪先がはずれそう〜(^^ゞ
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 曲がったらすぐによじのぼり。
後ろから、はじめさんが「三点支持!!三点支持!!」
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:00〜8:30 あれ?足の順序これでよかったのか?
:・・・・(3時間〜3時間半経過)
・8:36 一の滝、二の滝前到達。大迫力!!
:・・・(3時間36分経過)
・8:39 吊り橋を渡り、No1小梯子を下り虹の出た一の滝撮り。「俺撮って!」たけちゃんは写真には興味ないのだ。
:・・・(3時間39分経過)
・8:59 No2梯子群のスタート
:・・・(3時間59分経過)
・9:11 急斜面を登り二の滝滝上通過
:・・・(4時間11分経過)
・9:16 梯子の連続
:・・・(4時間16分〜)
・9:28 ロープだけの馬の背通過。両側千尋の谷。
「ロープは頼りにするな〜」:・・・(4時間28分経過)
・9:45 長く高いNo17梯子開始
:・・・(4時間45分経過)
・9:49 水平梯子。下は底無しの谷。
はじめさんいい靴はいてんな〜。
:・・・(4時間49分経過)
・9:59 対岸の壁に?大滝
:・・・(4時間59分経過)
・10:02 天空の鎖場登り眼下に歩いて来た谷がはるか下に見える。ここが堪らなく爽快な場所だった。
グライダーでスーっと飛べたら最高だ。
「おしっこー」って聞こえたけど誰?
:・・・(5時間02分経過)


この後・登り梯子はNo28で終了。


・大きな岩の傍の鎖を伝って蟹歩きの回り込み路
・そして4つの下り梯子で滝前テラスだ。+600m
・10:18 広い双門の滝前テラス到着・かなり広い
:(往路5時間18分経過)

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双門撮影・昼食。(約2時間)
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この大岸壁(仙人グラ)はむしろ双門大滝よりみものだ。
この谷の空間はニューヨークの高層ビルの谷間のようで身体が空中に浮かんでいるような錯覚に陥る。
・テラスで会った弥山登山者も来た路の引き返しは止めた方がいいと言う。
・地図をもっていないので来た路を引き返すことにした。今後の課題。
・テラス出発:12:20(0分経過)
・高度感たっぷりの鎖場満喫。
・三の滝壷か?今回はパス。:13:15。(55分経過)
・此処までに小休止1回。
・一の滝、二の滝:丁寧に撮影。虹なし。

・左岸大岩群をもう一度楽しんだ。
・鹿の死体まで降りてきた:・・・往路7:56、帰路14:37(2時間17分経過)
・大きな飛び石の渡渉簡単(岩が乾いていた):・・・往路7:53、帰路14:39(2時間19分経過)
・いや〜な右岸のガレ場。往路時より多少乾いていて難なく通過小休止1回。
・ガマ滝:水位が10cmくらい低下している。:丁寧に撮影。

・ガマ滝以降の渡渉は乾いた岩飛びで簡単。
・白川八丁は殆んど水無し。林道歩行前の小休止。
・林道歩行ダラダラ下り。ルン♪ルン♪気分。
・双門コース案内図に帰還:・・・16:57≒夕5時着(4時間37分経過)

・宿のおかみさんには3時に還ると言ったので心配しているだろう。
・5時半、一旦宿に帰り近くの天川薬湯センター「みずはの湯」で手足のもみほぐし。
・宿にかえりおかみさんご自慢料理「みそなべ」とビールで祝杯。
・21時過ぎ大台ケ原にきていた写録の旅人さん、滝の引力のイチローさんから踏破祝TEL頂戴いたしました。ありがとう滝仲間。

・翌朝27日、天川村のウグイスの美声で目をさます。
・足も腰も全く筋肉痛なし、南西40Kmほどの十津川村の吊り橋と笹の滝に出かけた。
・午後1時ころ宿に帰りおかみに挨拶すると天川村の名水をめいめいに2リットルづつお土産に持たせてくれた。
・ここでたけちゃん、はじめさんとお別れ、再会を誓い帰路につきました。

・双門の滝訪瀑レポを終わります。
・レポ発表が遅れたことお詫びいたします。2007/6/11「滝の思い出」kaidosun
 <完>